昨今のIT業界では「X-Tech」という言葉が一大トレンドとなっています。これはIT業界と他業界の融合によって、人々の生活に様々な恩恵をもたらそうとする取り組みです。自分の将来が不安というエンジニアは、X-Techの基礎はもちろん、そこからさらに掘り下げて知識を深めていくと市場価値を高められるかもしれません。

X-Techのなかでも広く知られているものの一つが「HR Tech」です。HRとは「Human Resource」、すなわち人材を意味する略語。人材管理、運用、登用にITの技術を取り入れようとするのがHR Techです。少子高齢化社会の加速により、労働人口が減少しつつある現代の日本で、優秀な人材の確保はすべての業界における重要課題となっています。ですが労働者側も同様に、多様な選択肢があふれている中で、自分にとっての適性や才能を見極めるのが難しく、転職に巡り合えることはほとんど稀です。そこでHR Techの出番です。

自身の情報や経歴を入力することで、AIが自己分析のサポートを行い、選択をサポートしてくれることも可能になり、企業側も面接を記録し、表情や回答を分析することで自社に適した人材かどうかを判断する材料にすることができます。新人の入社後もAIの分析に応じて、自身の適性に応じた部署に配属することや、必要に応じて最適な研修を施すことも可能になるでしょう。それだけでなく、テレワーク化が進む中、孤独な状態で仕事を続けるのは新人にとって負担となることがあります。メタバースやVRの技術を導入し、研修や業務にある種の「楽しさ」を提供することで、作業効率や教育の効率がアップするかもしれません。限られた人材を適材適所で活躍させるうえで、HR Techのサポートは相当以上の働きが期待されています。